2018年01月05日
歯科診療には保険が適応できる保険診療と、適応できない保険外診療の2種類あります。保険診療は治療内容ごとに治療費が一律に決められているため、全国どこの歯医者で治療を受けても基本的に治療費は同じです。
一方の保険外診療はすべての治療費を患者様が負担しなければならず、またその治療費も受診する歯医者によって異なります。
■保険外診療は歯医者が自由に価格を設定できる
保険が適応されない保険外診療の価格は、歯科医院が自由に設定することができます。インプラントや矯正治療など、同じような内容の治療でも料金が受診する歯医者によって違うのはそのためです。
価格設定の基準は歯科医院によって様々ですが、立地条件は大きなポイントの1つになります。これは歯科医院だけに限る話ではなく、一般的に土地代や賃料が高い都心部やその周辺に立地する店舗ほど、提供するサービスの料金は高く設定されます。つまり同じ治療内容でも、都心部に近い歯医者ほど価格が高めで、反対に地方部へいくほど安くなる傾向にあるわけです。
■価格の高さは「質の高い医療を提供できる」という自信のあらわれ
自由に価格を設定できるとはいえ、保険外診療にも一応の相場というものはあります。例えば保険外診療の代表格ともいえるインプラント治療の相場は1本当たり30万~50万円ほどです。歯医者によって多少の差はあっても、どの保険外診療もおおむねこの相場の範囲内におさまっているのが一般的です。
しかしそうはいっても1つの治療が数千円程度ですむ保険診療と比較すると、やはり数十万円という料金はあまりにも桁違いな印象を受けてしまいます。ただこれは決して法外なものではなく、高額な料金にはそれに見合うだけの品質の高さが裏付けされているのです。
材料へのこだわりもその1つです。被せ物や入れ歯、インプラントなど人工物によって機能を回復していく歯科医療では、選択する材料によって予後が大きく異なります。品質の良い材料は耐久性や審美性、生体親和性(体へのなじみの良さ)に優れており、治療後の違和感や不快感も少なく予後が快適です。
材料以外にもハイレベルな技術の提供やきめ細やかなアフターフォローなど、保険外診療はそのクオリティの高さが、高額な料金にあらわれるといっても過言ではないでしょう。
■価格の安さに惑わされないようにしよう
一方で、一般的な相場よりもはるかに安い価格で保険外診療を提供している歯科医院も近年はよくみられます。コンビニエンスストアよりも多いといわれる歯科医院同士の競争は年々激しさを増しており、価格を下げることで集客を狙う戦略を打ち出す歯科医院が増えていることも確かです。消費者という立場で見れば1円でも安いことは魅力的ですが、提供されるものが医療サービスである以上、やはりそこは慎重になるべきでしょう。
近年はどの歯科医院もホームページを持ち、治療内容や料金なども詳しく明示している医院も増えてきました。自身が住む地域の歯科医院の相場はおよそどの程度であるかを知り、またその価格が内容に見合っているのかを確認するのも、歯科医院選びでは重要かもしれません。