2018年11月16日
フッ素はむし歯予防に効果を発揮するといわれていますが、魚やお茶などにも含まれている身近なものです。
フッ素の3つの働きがむし歯予防を期待できるので、特に子どものフッ素塗布はお口の環境を整える上で推奨されています。
そこで今回は子どものフッ素塗布についてご紹介します。
【フッ素の働き】
① 再石灰化の促進
歯は食事をすることで酸性になったり、唾液の効果でアルカリ性になったりします。
お口の中が酸性になると脱灰が進み、唾液の効果でアルカリ性になると再石灰化が促進します。
唾液の量は個人差があり、就寝時など唾液が少なくなることもあります。
そのため、フッ素の効果で唾液では補いきれない再石灰化を促進します。
② 歯を強くする
フッ素のフッ化物イオンがカルシウムを結合して再沈着すると脱灰した部分に新しく結晶を作ってくれます。
そうすると歯のエナメル質の結晶が安定化して歯質を強化してくれるのです。
③ むし歯菌の働きを弱めて酸の生成を防ぐ
フッ素はむし歯菌が出す『酸』に強いため、むし歯菌の働きを弱めて酸が作られるのを抑制する働きがあります。
そのため、歯磨きで取り切れなかったプラークがあった場合にも、虫歯菌の働きを抑制して酸の量を減らすことができます。
【フッ素の利用方法】
1 フッ素塗布(歯科医院)
歯科医院でフッ素を塗布する方法です。
高濃度のフッ素(9,000ppm)を塗布するので、1度塗布すると3か月以上期間をあける必要がありますが、1歳半ころから行うことができます。
フッ素を塗布する前にしっかり汚れを除去してから行うので、このことからもむし歯予防の効果を期待することができます。
2 フッ素入り歯磨き粉
自宅で使用するフッ素は500ppm~1500ppmのものがあります。
最近では1500ppmのものも増えていますが、高濃度なので、6歳以下の子どもは使用することができないので注意が必要です。
歯磨き剤の中にフッ素が入っているので歯磨き中も効果がありますが歯磨き後もフッ素が効果を発揮しつづけます。
むし歯の効果を高めるために、お口の中にフッ素の成分が残ることが大切です。
そのため、歯磨き後のうがいは1回程度にしましょう。
3 フッ化物洗口
ぶくぶくうがいができるようになってから使用することができるので、4歳程度からおすすめの方法です。
毎日行うものと週に1回のものがあります。
継続して行うことで効果を発揮します。
フッ素塗布をすることで定期的に歯科医院に来院する習慣がつき、お口の健康を守ってくれるので取り入れていきましょう。